2015年4月30日木曜日

   ■ 明神鼻の茶会    2015年 4月12日





以下の文章は、茶会後、地元の招待客とお茶の先生に送った
御礼状をもとに作成したものです

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前 略

先日の明神鼻の茶会では お忙しいなか足を運んでいただき
 御心入れまで頂戴致しましたこと御礼申し上げます

皆様には茶会の趣向を楽しんで頂けたご様子に 私どもも大変嬉しく感じております
当日 残念ながら出席の叶わなかったNさん 
小屋までの道を丁寧に掃除してくださったYさんの奥様にも 
茶会の様子をお伝えしたく以下に経緯を記します

私どもは 昨年の初夏 この小屋と出会い 小屋の清掃と雑木林の剪定を進めて参りました
木々のあいだから大槌島が姿を現しはじめた昨年末 大槌島を覆う桜の話を伺ったことに
 大いに触発され 茶会をひらく運びとなりました

第一部の茶会では 香川県丸亀からお越しの先生にお点前を披露して頂きました  
小屋には床柱に見立てた青竹を据えることで 仮設の床の間とし 
床柱には山桜を生け 「下載清風」の書を架けました
この言葉は 荷を降ろした舟が清風をうけながら帰路につく様子をうたったもので
 煙草盆や香合も舟を象ったものが使われました
舟を趣向としたのは お招きした皆様に造船関連の仕事に就かれていた方が多いこと
また現在も漁を通じて船と縁の深い方がおられることを踏まえたものです

第二部は 猿田彦の登場とともに始まりました
茶会に招かれた猿田彦は 神代の昔には天孫降臨の道案内をした国津神であり 
御前八幡宮の祭神としてこの地を見守ってきたことを口上として述べ 
手にした椿を小屋の女主人に贈ります

「茶会に参じた印に  某と縁の深い椿を持参いたいた。
 この後は、道に迷った時あらば   某に代わり御前(みさき)を示すことで御座ろう」

茶会に至る道のりを振り返ると まず岬と大槌島に惹かれ 次いで この小屋と出会いと
その都度 この場がもつ不思議な力に導かれるように ここまで来ました
いにしえの人々であれば この不思議な力に 道を拓く神の姿を見たのではないでしょうか 


猿田彦の持参した椿が生けられたのは 
向かい合って座る「向日比青年研修道場」の面々と香川の先生方の中間でした 
私たちの席からは 椿と大槌島が重なって見え 岡山と香川とに境を分たれた大槌が 
両者のあいだを取りもっているようでした

お酒の入った座談の席では 道場のリーダー的存在であったMさんが話にのぼり
「先人の思いがあってこそ 私たちが生かされている」との言葉に
私たちとは面識のなかった今は亡きMさんの存在を身近に感じました
思えば 茶会の正客はYさんだけでなくMさんであったのかも知れません

茶会を通じて あらためてこの小屋がもつ力を感じ 
ふだん出逢うことのない人々を引き合わせ
過去と未来をつなぐ場であるとの思いを強くいたしました

座談のなかでは 次の活動に繋がる話も多くありました
今後とも 皆様のご助力を賜ることがあると思いますが  その際はよろしくお願い致します

  
平成二十七年四月吉日        

                    明神鼻の茶会 実行委員会 一同